【書評】『うつ病は必ず良くなる』税所弘著

うつ病は必ず良くなる

こんにちは。ゆきこです。
古本屋が大好きで、月に1回は行くのですが、気になった本があればまとめ買いしています。

そんな中で今回見つけたのが『うつ病は必ず良くなる』税所弘著でした。
私は現在鬱病が悪化しており、薬だけの治療では回復できるイメージが持てていません。

そこで、日々自宅で取り組める簡単な治療法を探していました。
本書は早起きを起点とした治療法が紹介されていました。

今までに読んだ書籍とは違う、体系的な内容に興味を持ち、読み始めることにしました。
今回はこの書籍の内容について、解説していきます。

目次

税所式早起き心身健康療法とは?

この書籍の提案する治療法は、心身一如という考え方がベースになっています。
心と体は一体のものであり、同時に両面からアプローチすることで効果が高まるという考え方です。

ではその治療法の体系について詳しく見てみましょう。

① 行動療法
② 心理療法
③ 集団療法
④ 物理療法

① 行動療法

行動療法とは、行動パターンの変容を確立していくことで、症状そのものを改善していく方法です。
行動することで現状をありのままに受け止め、問題点を明らかにしつつより良い行動に変えていく治療と言えます。
具体的には早起き、誓ひ、自律訓練法、早朝散歩、早朝体操がコンテンツとして組み込まれています。

② 心理療法

心理療法とは、心を整える思考法の治療と言えそうです。
より良い考え方を身につけることで鬱病の落ち込みを回復させる効果があります。
具体的には、誓ひノート、内観療法、日記療法がコンテンツとして組み込まれています。

③ 集団療法

同じ症状を抱える仲間と、共通の目的や意識を持った場で学び合う治療法です。
他の人の症状を知ることで一人で抱えていた悩みが緩和され、自分自身を取り戻すきっかけになったり、病気と向き合う勇気が得られたり、といった効果が期待できます。
具体的には早起き会、土曜講演会がコンテンツとして組み込まれています。

④ 物理療法

最後の物理療法はカウンセラーが行う鍼灸カウンセリングです。症状を把握した上で全身の中から解決法を見つけ出し治療していきます。
心身一如の考え方から東洋医学の考え方も取り入れて治療をすることで全身の調和を重視した治療が可能となります。

クレイネス博士の鬱病の経過7段階

こういった治療法が体系的に確立されているだけでも読む価値はあると思いますが、さらに鬱病の経過についてもクレイネス博士の分析による7つの段階で症状の重さや各段階での治療方針を見定めることができます。

世界で多くの人が悩まされている病気、うつ病。この病気の進行はそれとなく深刻になっていくことが多く、早期に治療に着手することは非常に重要です。クレイネス博士の提唱する“うつ病の7段階”は、これを理解し、うつ病に治療と予防を効果的に行うための参考となります。

第1段階: 気分の低下

初めの段階では、ストレスや日常の困難により、これまで普通に渡りやすかった気分が低下していきます。
この段階では、気分の変化が生活の調和を崩すほどではなく、自然に解決することも多いです。
しかし、不幸にもこの段階を見過ごしてしまうと、病気が深刻化する危険性が高まります。

第2段階: 活動量の低下

気分の低下が長期化すると、日常的な活動量や関心が減退し始めます。
この段階では、余裕を失い、無力感が伸びていくことが見られます。
この状態は社会的交流の減少を呼び、体験的な微妙な変化が以後の階段に広がっていきます。

第3段階: 否定的思考の強化

自己否定的な思考が主要な意識となり、「何をやっても無駄」「自分は価値がない」といった否定的な言葉が頭の中を回るようになります。
この段階は、治療という観点でターニングポイントとなることが多いです。
なぜなら、この負の思考に対して適切な治療をすることは、その後の階段への進行を防ぐために重要だからです。

第4段階: 身体的症状の出現

うつ病が進行するにつれ、体の健康にも影響を与えます。
睡眠障害や食欲不振、慣性的疲労感、つらい頭痛などが観察されます。
身体的な症状は、心理的な問題と相互に影響しあい、悪循環を加速させます。

第5段階: 社会的孤立

社会的な関係が上手く維持できず、孤独感が増していきます。
他者との接触を避けたくなることは自然になり、対人関係の崩壊がもたらす悪循環に落ちていきます。
この段階では、他人からの支援をどう使うかが重要なテーマになります。

第6段階: 絶望感の強化

すべてのことを不可能とし、ついに「届かないという思い」を強く感じ始めます。
この階段には、自殺の念想が詰まってくることも多く、専門的な支援が求められます。

第7段階: 深刻なうつ病の発症

最終的な段階では、日常生活のあらゆる面が活動不能になります。
身体的、心理的、社会的機能が極度に低下し、それに治療が必要です。

これらの階段を乗り超えるために、クレイネス博士の7段階のモデルは、早期の発見と対応の重要性を明らかにしています。
実際には、初期の段階で治療を始めることで、活力を回復させ、病気の深刻化を防ぐことができます。
心理療法や薬物療法に加えて、生活習慣の改善も有効です。

読んでみて学んだこと

まずは早起きをすることから全てが始まるという点です。
鬱病だと睡眠に問題が出ていることが多いはずです。

なので早起きを最優先の治療と考えると、必然的に早く寝ることになり、生活リズムが少しずつ整っていきます。
まだこの書籍を読んで3日ですが、私は早起きを続けられています。

朝起きると決めておくと、まるで旅行に行く朝のような活力が生み出されます。
ある意味ここは覚悟が必要になるかも知れませんが、目が覚めたら必ず起きると決めておくのが重要です。

そして起きたことで生まれた活力を応用して、散歩や体操をすることで身体を整えます。
私の場合は体操まではできていませんが、朝に散歩をする習慣は少しずつ身についてきました。

これによって朝日を浴びてセロトニンが分泌され、気持ちよく1日を過ごせるようになります。
散歩で血液が循環し、身体がより起きてくれるので倦怠感も軽減されました。

そして次に心理療法で思考を整理します。
誓いや日記など馴染みのない方法なのですぐには実践できませんが、私の場合は日々の感謝をイメージして、1日の振り返りを行うようにしています。

これだけでも気分の落ち込みが少し整理でき、生きる勇気が湧いてきます。
多くの人のおかげで生きていられる、有り難い、みんなに幸せになってほしいと考えると前向きになれるのです。

その他の療法についてはまだ実践できていませんが、確かに効果がありそうだと感じられました。
これで鬱病が本当に良くなるなら、願ったり叶ったりですよね。

3カ月を目安に取り組んでいくのが良いとのことなので、しばらく続けてみようと思います。
まだ鬱病が回復すると確信が持てている訳ではありませんが、無理のないペースで頑張っていきます。

うつ病は必ず良くなる

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