鬱病は、心の病気でありながらも、日常生活や仕事に大きな影響を与えます。
鬱っぽいなと感じていてもなかなか精神科に行くのを躊躇してしまう方や、診断を受けることへの不安を抱える方も多いと思います。
私は社会人３年目で鬱病になり、診断を受けて仕事を３カ月休職し、その後退職することになりました。
その実際の経験を元に、鬱病の診断を受けるメリットとデメリットについて解説していきます。
なぜ私が鬱病の診断を受けることにしたのか
私は地元国立大学を出て、地域の金融機関に就職しました。
地域の中小企業に貢献したいと思って入社しましたが現実はそう甘くなかったです。
お客さんのためにならない収益重視の商品提案。
承認プロセスの多いアナログ業務。
生産性や効率化ばかり求められる圧迫感。
経営方針と現場の気持ちの乖離。
こうした理想と現実のギャップを受けて、私は次第に仕事に行くのが億劫になっていきました。
気持ちの落ち込みで仕事を休んだり、泣きながら通勤したり、手足の震えや頭痛に悩まされたりしました。
それでも何とか頑張ろうと３年経ったある日。
私は手足の震えで車が上手く運転できず小さな事故を起こしてしまいました。
さすがにこれ以上は危険だと思い、精神科に行くことにしたのです。
鬱状態で３カ月休職することになり、仕事のストレスから一時的に解放される結果になりました。
その間に知能検査を受け、発達障害の診断も合わせて受けて今に至っています。
鬱病を診断されたメリット
１．治療に専念できた
私は正直働き続けるのがかなり困難なほど体調にも悪影響が出ていました。
結果軽い事故をしてしまったのが何よりショックでした。
診断を受け、すぐに休職することができたので、治療だけに時間を使うことができて本当に有り難かったです。
特にうつ状態を回復するには十分な休息が必要です。
仕事のことを忘れ、自分を癒すことに少しずつ取り組むには休職という選択肢は大きなメリットでした。
おかげで３カ月の休職後、少しの間は復職して働くことができるまでに回復していました。
２．周囲からのサポートが得られるようになった
復職してからは、私の何がしんどいのか上司に理解してもらい、適切な配慮を受けることができました。
特に大きかったのは資格試験の勉強です。
私は興味のないことや必要性を感じないことが本当にできない偏りを持っています。
学歴があって頭がいいのに合格できないは怠けているだけだとかなり叱られていました。
それが真面目にやろうとしてもどうしてもできないのだと受け止めてもらい、仕事上不可欠な資格以外は無理に取らなくても良いと判断されました。
もちろんそれは基本給の昇給に影響するので、同期と比べると収入は減りましたが、働きやすくなったのは間違いないです。
３．自分を客観視できた
診断を受けるまでは、私は自分の努力が不足しているだけだと自分を責めてばかりいました。
気持ちが落ち込んでいるのもネガティブな性格のせい。
体調が悪いのも自己管理が甘いせい。
資格の勉強ができないのも怠けているだけ。
そんな自分が嫌いで仕方なかったです。
この気持ちが余計に調子を悪化させることになっていたと診断を受けて気づけました。
鬱病だからこんな症状が出て苦しんでいるんだ。
自分が悪い訳ではないんだと少しだけ気持ちが楽になりました。
鬱病を診断されたデメリット
こうして振り返ってみると、私は鬱病を診断されて良かったと思っています。
ですが実際にはメリットだけではなく、様々なデメリットもあることを痛感しています。
もし診断を受けるべきかどうか悩んでいる方がいれば、以下のデメリットも参考にして受診を検討してください。
あくまでも私の個人的な経験に基づく内容ですので参考にしていただければ幸いです。
１．鬱病というレッテル
診断を受けたことで私は自分が精神病であるという事実を突きつけられました。
もちろんそれを周囲に理解してもらうことで得られたメリットもあります。
ですがやはり自分は病気だというレッテルを貼られることがマイナスな気持ちもありました。
自分は弱い人間だ、働けない、普通じゃない、と言った思いが不安感を強めます。
また家族や友人にはなかなか打ち明けることができず、モヤモヤしていた時期もあります。
あまり人には知られたくない事情を隠し持っているという感覚も心苦しさがありました。
３．周囲からの目
鬱病について理解がある人ばかりではないのも悲しい事実です。
職場では私にどう接して良いかわからない人も沢山いました。
当たり障りのない関わり方になってしまい、人間関係が希薄になりました。
配慮しなければならないと思われるのは心苦しいですし、冷たい目線を感じることも多々ありました。
また、キャリアについても当然将来性が途絶えます。
高学歴で入社したことで将来を期待されていたのが、途端に障害者として扱われます。
昇給や昇進が難しくなり、私の社会人としての立ち位置が大きく下がったのを痛感しています。
４．生命保険に加入できない
鬱病の診断があることで、生命保険の加入条件が厳しくなりました。
もともと加入していたものは大丈夫でしたが、その後の見直しはできなくなったのです。
これだけ低金利が続いている現代において、金融商品の制限がかかることは資産形成の面でデメリットになります。
また将来に何かあった時にきちんと保険金が得られるかどうかにも影響が出るので、余計な不安が増えることにもなりました。
こういった社会的な保障水準が低下してしまうのも診断を受けるべきかを判断する一つの材料になると思います。
診断を受ける前に健康保険や生命保険に加入しておく方が良いかも知れません。
４．金銭的な負担
診断を受けてから毎月精神科に通っていますが、当然病院代、薬代がかかります。
最終的に私は働き続けることが難しく感じ、退職することにしたのですが、収入面の不安は非常に大きいです。
ただでさえお金がないのに治療費の負担が増えたことでより生活を維持するのが大変になりました。
通院に時間を取られることも承知ですし、再就職もなかなかできず今でも金銭的な負担は私の最も苦しい悩みとなっています。
そこで自分に合った働き方を模索した結果、このようにブログを書いて収益を得られるようにしたいと考えました。
今はまだ２記事目で収益性は全くありませんが、将来的には生活できるレベルの収入を確保したいと思っています。
今行っている対策
私は診断を受けるという選択をしました。
被るデメリットの負担を少しでも緩和できるように以下のような対策を取っています。
相談できる人を作る
診断を受けたことで様々な不安や懸念を抱えることになりました。
多くの人は私が鬱病であることを知りません。
ですが信頼できる友人には打ち明けています。
理解して受け止めてくれる人がいるのは本当に有り難いことです。
モヤモヤした時や自分の気持ちがわからなくなった時には、こういった大切な方に時間をいただき、相談に乗ってもらっています。
それだけで自己肯定感を少し維持することができ不安感を僅かに解消できていると思います。
鬱病への理解を深める
鬱病と向き合う上で病気をきちんと理解することは非常に重要だと感じています。
もちろんまだ医学的に解明されていないことも多いです。
ですがよくある症状や対応策、さまざまな方の事例などが参考になります。
日常での困りごとを少しでも解消できるように、いつも工夫を探しています。
また書籍などで情報を得ることも有効です。
気持ちを整えるトレーニングをしたり、自己肯定感を高めるワークに取り組んだり、今できることに集中して治療しています。
まとめ
鬱病の診断を受けることでデメリットもあります。
ですが私は結果的にメリットの方が大きかったと感じています。
もし診断を受けるかどうか悩んでいる方がいれば、医療機関や相談機関を頼ってみるのも良いと思います。
最終的な判断は自分になるので、後悔のない選択をしてくださいね。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
あなたの幸せを心から願います。
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