私は社会人3年目でうつ状態になり仕事を休職することになりました。
ですが今思い返せば、その前から初期症状が出ていたと思います。
早めにこういった初期症状を知っておけば、より良い対処法を知り、悪化を防げたかも知れません。
私は結果として初期症状に気づかず対処が遅れたため、休職の後に退職して今も働けない状態が続いています。
この記事を読んでくださっているあなたにはそうはなってほしくないと願います。
なので鬱の初期症状が仕事にどんな影響を及ぼすのか知ってほしいのです。
そして無理をしていると感じたなら、早めに対処を検討してください。
私の経験が悩めるあなたの問題解決に少しでも役立つように、具体的な対策方法についても解説していきます。
仕事で現れる鬱の初期症状について
鬱の初期症状には様々なものがありますが、仕事面で現れる影響には以下のようなものがあります。
これらについて具体的にどんな状態なのか、あなたに当てはまる症状があるのか見ていきましょう。
1.パフォーマンスの低下
仕事をする上では、良い成果を生み出せることは非常に重要です。
私の場合、事務系の仕事だったので、パフォーマンスと言うと作業の効率や正確さなどが求められました。
それに対して以下の3つの点でパフォーマンスが低下していたと思います。
集中力の欠如
ほとんどの人は残業なしでも1日8時間働いています。
私も正社員でしたので同様でした。
しかし鬱の初期症状として集中力が低下していたので、長時間にわたって集中することができませんでした。
どうしてもボーっとしてしまったり、小さなミスをしてしまったり、上手くいかないのです。
また複数のタスクを管理する能力も低下します。
電話を取ると、その前に何をしていたか忘れてしまい作業に戻るのに時間がかかりました。
それによって作業漏れや伝達ミスなども発生してしまい、余計に自己嫌悪に陥る悪循環になっていました。
もしいつもより集中力が欠けていると感じる方がいれば、鬱の初期症状かも知れないと疑ってみてください。
判断力や決断力の低下
集中力と同様に、考える能力にも悪影響があります。
判断力や決断力が低下することで、重要な判断を先延ばしにしてしまうことがよくありました。
すると上司から報告はまだかと言われるまで作業に取り掛かれていなかったり、ギリギリになって焦ってしまったりとパフォーマンスが落ちてしまいます。
また小さなことでも悩んで作業が止まってしまったり、判断に困ってアタフタしたりと業務の進行も滞ってしまうことがありました。
先延ばしや業務の遅延が目立つと言う方は、鬱の初期症状かも知れないと疑ってみてください。
記憶力の低下
上司から口頭で言われた指示が覚えきれないということありませんか?
私はもともと音を聞き取るのが苦手だったこともあり、記憶力が低下していることに気づけませんでした。
会議の内容を思い出しながら議事録を作成するのも難しくなり、何度も出席者に確認を取るようになりました。
それさっき言っただろ、と言われるたびに自分を責めてしまっていました。
また同じ質問やミスを繰り返してしまうのも記憶力の低下が原因の症状です。
自分ではわかっていてもすぐに思い出せずに失敗してから気づくのです。
仕事でミスをして叱られてばかりいる人は、もしかしたら記憶力が低下しているのかも知れません。
これも鬱の初期症状の可能性があるので、注意が必要です。
2.モチベーションの喪失
仕事は単純に能力さえあればできるものではありません。
本人のモチベーションも大きな影響を持っています。
鬱の初期症状としてモチベーションがなくなっていくというのもあります。
何もやる気が出ないと感じている状態では仕事が上手くいかなくても当然ですよね。
やる気の欠如
うつ状態になると仕事への意欲が大幅に減少します。
すると業務を後回しにしてしまうことがありました。
ちょっと休憩と言ってコーヒーを飲んでゆっくりする頻度が多くなりました。
また、新しいことに取り組む意欲も低下していたので、仕事に消極的になっていました。
今の時代、業務の効率化や生産性の向上が叫ばれています。
改善やチャレンジが億劫に感じる方も多いと思います。
もしかしたらそれが鬱の初期症状かも知れません。
達成感の欠如
私はそれでも仕事の改善には比較的積極的な方でした。
何かをより良く変えていくのが好きなタイプだったんです。
ですがそんな私がExcelでマクロを組んで作業効率を上げた時にも達成感を得られませんでした。
上司から評価されても嬉しさや喜びを感じられず、空虚感に苛まれていました。
ある程度成果を出していたにもかかわらず、自分には何もできていないと考える癖がついていき、いつも自分を否定してばかりだったのを振り返ってみると痛感します。
3.人間関係の悪化
うつ状態になると、人間関係にも悪い影響が出てきます。
初期症状は元々の性格と区別しづらいため中々気づけないかも知れません。
コミュニケーションの減少
私は元々内気、引っ込み思案なタイプでした。
なので同僚と仲良く談話することも少なく、上司に相談することも滅多にありません。
ですが今思えば少しずつコミュニケーションが減っていき、孤立していたのを思い出します。
特に報告や相談ができないので、チームのメンバーに迷惑をかけることが多かったです。
イライラや感情の不安定
それだけではなく、他者の小さな発言に過剰に反応して怯えたり不安になったりすることが多くなりました。
今まで普通に関わっていた人とも距離を置くようになったのです。
すると困った時に手を貸すような協調性がなくなり、冷たい人だと思われるようになります。
私はそんなつもりはないのに、無意識に人を避ける態度を取っていたようです。
4.仕事量や責任の管理が困難
パフォーマンスの低下と同様に、自分が抱えられる仕事の範囲にも影響がありました。
金融機関は責任の範囲が明確に決まっている業務が多いため、自分の立場でどこまで責任を負うのかはイメージがついていました。
作業遅延
それでも例えば締め切りを守ることが難しくなりました。
まだできていません、と何度言ったことでしょうか。
仕事が遅れると周りの人にも迷惑がかかります。
もちろん与えられた期日を守れなければ叱られます。
チーム全体のプロジェクトが滞ることもあります。
なので徐々に責任を負うのが怖くなっていきました。
責任の回避
そうして自己肯定感が徐々に低下していき、私は自分の能力や役割に自信が持てなくなりました。
新しい仕事をチャンスと捉えられず、責任を負うくらいなら他の人に任せようと思っていました。
上司や同僚が多くの仕事を抱えていても、私が責任を負わないことから業務に偏りが出てしまっていました。
忙しくしている人が周りにいても、自分には関係がないとひたすら避けていたのです。
今思えば申し訳なさも感じますが、当時は本当に苦しくて逃げ出したい一心でした。
5.身体的な影響が業務に支障を与える
鬱の初期症状として身体的な影響も多々あります。
女性の場合、生理やホルモンバランスの影響も考えられますし、加齢によるものと思うかも知れません。
ですが不調が続くようなら病院を受診してみてください。
私は結局内科では原因不明と言うことで、精神科の受診を決意しました。
過剰な疲労感
うつ状態になるととにかく疲れやすいです。
仕事から帰るともうぐったりして寝落ちしてしまうことも多々ありました。
仕事中もトイレで休んだり、コンビニでコーヒーを飲んだりと休憩が多くなりました。
そして休んでも休んでも疲れが全く取れないのです。
朝起きると怠くて立ち上がるのがしんどかったり、なかなか準備ができなかったりしました。
するとどうしても通常の出勤ができなくなり、欠勤や遅刻が頻繁になりました。
ほぼ毎日今日は遅刻します、と電話していたのを今でも覚えています。
心苦しい気持ちでいっぱいになりながら遅れて出社していたのは周囲の目もあり大きなストレスでした。
身体的不調によるパフォーマンスの低下
病院に行っても原因不明の体調不良が沢山ありました。
例えば頭痛や吐き気、背中の痛みなどです。
私は生理痛も重く薬を飲んで何とか仕事をしていたのですが、それと同時に様々な不調に襲われ、とても仕事に集中できる状態ではありませんでした。
体調不良と言っても常に悪い状態なので、当時はこれが鬱だとは思いませんでした。
アラサーになってもう年だからと思ったり、これくらいなら大丈夫と我慢したりの日々でした。
もし原因不明の不調がある方は、本当に無理をせず、早めに精神科にかかることをお勧めします。
仕事における鬱病への具体的な対策
ここからは私が実際に休職してから復職する際に行った、具体的な対策について解説していきます。
うつ状態が悪化する前に、早めに相談できるのが一番ですが、もし休職してしまった場合でもこういった対応を検討してもらうことが重要だと思います。
1. 業務量の調整
最初に考えたのが業務量の調整でした。
定型業務を減らしてもらい、現実的に処理できる業量にしてもらいました。
締切にも余裕を持った目標設定に変えてもらい、何とか無事に1日を終えることができるようになりました。
元々はもっとできたはず、と思うかも知れませんが、うつ状態になると様々な影響が出ます。
以前できたかどうかではなく、今できるかどうかで判断する必要があります。
上司に自分の状態をしっかりと理解してもらい、適度な業量になるよう調整してもらいましょう。
2. 職場のサポートを活用
私の職場には産業医がいたので、定期的な面談をしてもらえるようになりました。
何がしんどいのか、どうすれば働き続けられるのか真剣に考えてもらえて少し気が楽になりました。
また、残業もしなくて良いように周りにサポートしてもらいました。
勤務時間の短縮や在宅勤務はできませんでしたが、対応可能な職場であれば検討してもらいましょう。
3. 同僚や上司への相談
幸いなことに私の職場の方々はうつ状態に理解を示してくれました。
発達障害も打ち明けて、できるだけ困らないようにサポートしてもらいました。
例えば仕事の指示は口頭ではなくチャットツールで行うことや、聴覚過敏用のイヤホンを使うことなどです。
報告や相談も文面で行うことができて、忙しい合間に声をかけるという負担も軽減できました。
4. 医療機関の受診
発達障害の二次障害としてうつになっているのがわかっていたので、精神科による相談も大きな助けになりました。
自分の特性を理解していくことで、なぜミスが起きるのか、どんな時に不安を感じやすいのか知ることができたのです。
当時は薬は飲んでいませんでしたが、今思えば早めに症状の悪化を防ぐ治療をしておけば良かったと思います。
私は通勤時に手足の震えで事故をしてから働けない状態だと認識しました。
この記事を読んでくれているあなたにはもっと早めに自分の症状に気づいて医療機関に相談してほしいです。
無理をしているのに我慢するのは鬱病を悪化させるだけです。
精神科に行くことは社会的な目もあって不安かも知れません。
ですが悪化して休職や事故になっては元も子もないです。
まとめ
長くなりましたが、うつ状態にはとにかく早く気づくことが最も重要です。
個人だけではなく職場全体にも悪影響を与えてしまうからです。
適切なサポートを受け、早めに治療することで、症状を緩和し、無理なく働き続けることができるかも知れません。
鬱病は精神論ではどうにもならない立派な病気です。
周囲の人に協力してもらって解決していくのは決して悪いことではありません。
自分だけが我慢していれば良いと思う真面目な性格の人は要注意です。
もしこの記事を読んで、自分や同僚に鬱病の兆候があると感じたら、迷わず医療機関や職場の支援制度を活用してください。
あなたはどうか私のように苦しまずに、無理なく働けることを心から願います。
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