【アドラー心理学】ベストセラー本『嫌われる勇気』を実体験とともに解説

アドラー心理学嫌われる勇気

アドラー心理学と言えば、『嫌われる勇気』で一躍有名になった心理学ですよね。
アルフレッド・アドラーが提唱した個性心理学とも言われるこの考え方は、多くの人に影響を与えました。

その特徴は、「全ての悩みは人間関係に起因する」という教えです。
私自身、人間関係には非常に多くの悩みを抱えています。

人と関わるのが億劫、どう思われるか不安、評価されるのが苦しい。
そんな悩みの根幹は人間関係にあると言われれば納得できます。

そこで今回は、このアドラー心理学について、私が読んだ書籍『嫌われる勇気』を元に解説します。
皆さまの人間関係の悩みを解決する一助となれば幸いです。

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目次

アドラー心理学とは?

改めてアドラー心理学について、どんなものなのか振り返ってみます。

アルフレッド・アドラー

アドラーは1870年、ウィーンに生まれました。
そして医学を学び、精神分析について考えを深めていったそうです。

その中で心理学者として有名なフロイトの元で学びますが、徐々に考えの相違に気がつきます。
フロイトが無意識や性の欲求に焦点を当てたのに対して、アドラーは人間の行動が「目的」によって動機付けられるという立場をとりました。

1911年にはフロイトの元を離れ、独自の考えを体系化した「個性心理学」を提唱するようになります。
その後アドラーは教育分野に注力し、罰や威圧に依らない民主的な教育を目指して尽力されました。

1937年に死去した後、弟子たちがアドラー心理学の普及に努め、心理療法、自己啓発、教育分野に大きな影響を与えていきました。

日本での普及

日本においては、2013年に書籍『嫌われる勇気』が出版され、ベストセラーになったことで注目されるようになりました。
ビジネス分野でも取り上げられるようになり、今後も活用が注目されている心理学です。

私自身もこの『嫌われる勇気』を読んで、アドラー心理学にとても興味を持ちました。
読もうと思ったきっかけは鬱病の回復を見込んで心理療法を学びたかったからです。

実際に読んでみると、その内容が面白く、納得できるものだったので、こうしてブログで紹介することにしました。

ベストセラー本『嫌われる勇気』の紹介

ここからは、私が実際に読んだベストセラー本をご紹介します。
『嫌われる勇気』です。

哲人と青年の対話形式で議論が展開されていて、とても読みやすい内容となっています。
私自身もこうした議論を重ねてみたいとさえ思いました。

もし読まれた方がいれば、是非一緒にお話ししましょう!

『嫌われる勇気』著者:岸見一郎、古賀史健

アドラー心理学のベストセラーと言えばコレ、と誰もが思いつく名著です。
私も以前読んだことがあったので知識としては知っていました。

ですがその全体像や思想の深くは理解できていなかったと思います。
最近になって改めて読み直したことでより理解が深まったのではないかと感じています。

人は今この瞬間から幸せになれる

まず冒頭で不幸感を感じる青年が哲人の元を訪れるところから物語は始まります。
アドラーの教えについて反論しようと躍起になる青年の気持ちはよくわかります。

人は今この瞬間から幸せになれる」という哲人の主張。
それは青年にとってとても受け入れることのできないものでした。

私も同様の考えでした。
今の自分が突然幸せになれると言われたのなら、そんな訳はないと断固反論するでしょう。

なにせ私は発達障害と鬱病を抱え、働くことすらできずに苦しんでいるのですから。
これが幸せになれるなど到底思えるはずがありません。

そんな共感から私は物語に引き込まれるように読み進めていきました。

目的論と原因論

私たちの現在は何によって決まっているのか、と言うのが最初の議論です。
例えば引きこもりになっている子どもが外に出たいと思っているのにできない。

これは過去にトラウマがあるからだと青年は考えます。
ですがアドラーの考え方ではトラウマは存在しないと言います。

私たちの現在が過去によって決まるのであれば、同じ経験をした人は全て同じ結果になるはずです。
例えばいじめられた人は全員が引きこもりになるでしょうか?

こういった考え方を原因論と言います。
過去の原因が現在を作っているとするわけです。

ですが実際には同じような経験をした人でも幸せな人と不幸な人がいます。
原因論では説明がつかないですよね。

そこでアドラーは目的論を提唱します。
現在を作っているのは本人の目的を叶えるための選択なのだと。

先の例で言えば引きこもりになっているのは、人と関わることを避けたいという目的が先にあって外に出ない言い訳として引きこもりになっていると考えるようです。

この考え方には私も自分の現実を突きつけられたような感覚になりました。
私自身、人との関わりを避けたいと強く願っています。

そうした目的から鬱病を発症し、それを言い訳として人との関わりを避けているのです。
もし誰とでも円滑な関りができるのであれば、私は鬱病になどなっていないと思います。

ですがそこには勇気が必要です。
人との関わりにおいて誰にも嫌われないということはあり得ません。

嫌われても自分の価値は変わらない、ありのままの自分で良いのだと思うには勇気が必要だとアドラーは考えます。
私にもその嫌われる勇気が持てるのであれば、もしかしたら現状を変えることができるかも知れないと思いました。

人間の悩みは全て対人関係の悩みである

人はなぜ悩むのか、それは人との関わりにおいて生まれているとアドラーは考えます。
もしこの宇宙に自分一人しか存在しなければ、人は悩むことがないと言う訳です。

確かにそうかも知れません。
私も苦しんでいるのは自分の現状とは違う誰かがいるからです。

つまり健康で働ける状態の人がいるから自分はダメなのだと感じるのです。
これは一般的には劣等感と言われるものですが、アドラーは少し考え方が違いました。

劣等感とは自身の解釈であると。
現状の自分に対して主観的に何かと比較して劣っていると感じる。

でもそれは誰もが当てはまることなのだと言います。
例えば私は勉強がそこそこ得意でした。

だからと言って世界一勉強ができるかと言われるとそんな訳はありません。
小さなクラスの中で一番になって浮かれているだけです。

つまりは劣等感は自分で優位に立てていると感じるかどうかだけの問題なのです。
それに対して良し悪しはありません。

人は誰しもより良くなりたいと願っています。
これを優越性の追求と言います。

アドラーは劣等感を持つことはこの優越性の追求だと、つまりより良くなりたいと願い努力する根源になると考えます。

これに対してアドラーは劣等コンプレックスという言葉を持ち出しました。
コンプレックスとは複雑という意味です。

人間関係を複雑にしているのは劣等感を他者との比較で見ることに起因するという考え方です。
これを見せかけの因果律と言います。

自身の劣等感を他者と比較してコンプレックスにする、成功できない言い訳にしていると説明されています。
成功できないのは勇気がないからであり、コンプレックスがあることは勇気のない言い訳だと考えるのです。

私自身、鬱病で働けないことにコンプレックスを抱えています。
ですが確かに考えてみると、働けるようになる勇気を持てていないのも事実です。

私は働けない言い訳として鬱病を生み出し、現状から目を背けているということです。
ではどうすれば現状に向き合い、前に進んでいく勇気が持てるのでしょうか?

人生のタスク

アドラー心理学では、誰もが向き合うべきことを人生のタスクと呼び、目標を明確に示しています。

<行動面の目標>

  • 自立すること
  • 社会と調和して暮らせること

<心理面の目標>

  • 私には能力がある、という意識
  • 人々は私の仲間である、という意識

そしてこれらの目標を達成するためには3つの人生のタスクと向き合う必要があると説明されています。

<人生のタスク>

  • 仕事のタスク
  • 交友のタスク
  • 愛のタスク

利害関係のある人間関係を仕事のタスク、利害関係のない人間関係を交友のタスク、それ以上の深い関係を愛のタスクと呼び、これらをまとめて人生のタスクと言います。

人はこういった人生のタスクを回避するために、様々な言い訳を考え、時には人を嫌い、敵と見なすのです。
これをアドラーは人生の嘘と呼んでいます。

まさに私は人生の嘘に塗り固めたられた存在でした。
特に仕事においては、自分の能力が低いと思われたくない、自分の失敗をさらけ出したくない、という不安や恐怖感に駆られ、人間関係を避けるようになっていったのです。

そして仕事のタスクをひたすらに避けるために鬱病になり、働けないと人生の嘘をついています。
こう考えるといかに自分が幼稚で、向き合うべきことから逃げようとしているかを痛感します。

ですが鬱病なのは医師の診断のある事実ですし、発達障害も同様です。
私はどうすれば人生のタスクに向き合うことができるのか、その勇気が持てるのか、まだまだ疑問は尽きません。

承認欲求を捨てる

一般的に承認欲求は根源的な欲求だと考えられています。
ですがアドラー心理学では承認欲求を求めることを否定しています。

なぜなら承認欲求で行動すると、承認されないかも知れないと言う不安が生まれるからです。
そして承認するかどうかは相手が決めることであり自分ではどうしようもありません。

これを課題の分離と言います。
自分が決められることと、他者が決めることを明確に区別して考える必要があるのです。

もし承認欲求で生きるとするなら、一生他人の目を気にして他人軸で生きることになります。
これは非常に苦しい生き方ですよね。

まさに私は承認欲求に生きる奴隷でした。
誰かに認められたい、有能だと思われたいと願うあまり、他者の目線ばかりを気にして生きていました。

そして認められないと落ち込み、次も認められないのではないかと不安になり、勇気をくじかれていたのです。
これは私の現状そのものを明確に示す考え方だと思いました。

だからこそ、課題の分離を身につけ、承認欲求から解放されることが真の自由なのだとアドラーは言います。
私はなんと不自由な生き方としていたのだろうと痛感しました。

存在しているだけで価値がある

承認欲求から解放され、自らの自由を手に入れたとすれば、どう人生が変わるでしょうか?
私は優越性の追求の原則によって自身の成長を実感し、幸せに生きることができるかも知れません。

そして世の中に貢献して誰かからの感謝を得ることで勇気づけがなされる。
するとより社会への所属感を得て幸せを感じられるようになる。
これが承認欲求から解放された先にある真の幸せだと説明されています。

ですが世の中には様々な原因で能力が発揮できない人もいます。
例えば病気で寝たきりの人や、高齢で介護を必要とする人などです。

そういった人が価値がないのかと言うと決してそんなことはありません。
人は生きているだけで、存在しているだけで価値があるとアドラーは考えます。

例えば自分の大切な人が事故にあって危篤状態になったとしたらどうでしょう。
その人が生きているだけで良かったと思えるのではないでしょうか。

これは特別なシーンだけで適用されるものではなく、日常でも同様に考えるのです。
身近な人に小さなことで感謝する、生きているだけで感謝する。
すると勇気づけができて人生のタスクに向き合う原動力になる、と言うことです。

そしてこの考え方を取り入れるのは自分の意思、選択だけが必要です。
アドラーは言います。

誰かが始めなければならない。
他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。
私の助言はこうだ。
あなたが始めるべきだ。
他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく。

共同体感覚と他者貢献

存在しているだけで価値があると思えるようになれば、他者は敵ではなく仲間になります。
これをアドラー心理学では共同体感覚と呼びます。

私は能力の有無や自身への評価によって他者を敵と見なすことが多々ありました。
そして信頼を寄せるのではなく、懐疑的に人と関わっていました。

これでは到底良い人間関係を構築することはできません。
ではどうすれば良いか。

他者を信頼することです。
先ほど述べられていたように、自分から始めるべきなのです。

他者を信頼することは勇気のいることです。
ですが自分からそうしなければ幸せにはなれません。

他者が敵なのか仲間なのか、その解釈だけで生きやすさは大きく変わると思います。

そして最後に共同体の中で貢献感を得ること。
これが幸せになるための最終地点です。

つまり他者に貢献していると自分が感じられる生き方をすると言うことです。
貢献することで共同体に所属感が得られ、対人関係の悩みが消えると説明されています。

まとめ

他者からの評価など気にせず課題の分離を行い、承認欲求から解放から解放され優越性を追求し、
他者を信頼して共同体感覚を身につけ、他者貢献によって所属感を得る。

これが私の現状を打破し、幸せになるための人生のタスクなのだと理解しました。
今この瞬間から行動すれば、現状は必ず前に進む。

そして今この瞬間を真剣に生きることこそ幸せの始まりなのだと思いました。
私はまだまだアドラー心理学を学び始めたばかりですが、こうして説明してみることでより理解が深まったと感じています。

この記事が誰かの役に立つことを信じて、私の貢献感につながっていくと思えば、ブログもとてもやりがいがありますね。
ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。

あなたの人生にとって少しでもためになれば何よりです。

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