【アドラー心理学】ベストセラー本『幸せになる勇気』を実体験とともに解説

幸せになる勇気

アドラー心理学と言えば、『嫌われる勇気』で一躍有名になった心理学ですよね。
アルフレッド・アドラーが提唱した個性心理学とも言われるこの考え方は、多くの人に影響を与えました。

『嫌われる勇気』を読んで、私もアドラー心理学にとても興味を持つようになりました。
そして続編である『幸せになる勇気』も読んでみることにしました。

『幸せになる勇気』はアドラー心理学をより実践的に学べる内容になっています。
私自身、まだまだしっかりと理解できているかはわかりませんが、この記事でより理解を深められたらと思っています。

ということで今回は、このアドラー心理学について、私が読んだ書籍『幸せになる勇気』を元に解説します。
皆さまの人間関係の悩みを解決する一助となれば幸いです。

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目次

アドラー心理学とは?

アドラー心理学については、以前の記事で紹介していますので、こちらをご参照ください。

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ベストセラー本『幸せになる勇気』の紹介

ここからは、私が実際に読んだベストセラー本をご紹介します。
幸せになる勇気』です。

『嫌われる勇気』と同様に哲人と青年の対話形式で議論が展開されていて、とても読みやすい内容となっています。
私自身もこうした議論を重ねてみたいと改めて思いました。

もし読まれた方がいれば、是非一緒にお話ししましょう!

3年後の大きな課題から物語は始まる

『嫌われる勇気』から3年。
青年はアドラー心理学を信じ、教育の立場に立って日々実践を重ねてきました。

一人でも多くの子どもたちに光を届けよう。
そんな想いを胸に、理想に燃え、決心した青年が直面したのはより具体的な問題でした。

褒めず叱らずという教育方針は机上の空論でしかない。
そう訴える青年の気持ちもよくわかります。

私も教職を目指していた時期があり、教員免許も取得しました。
なので教育現場がいかに難しいかはある程度イメージできます。

当然褒めず叱らずの教育では、教室が荒れてしまうのは容易に想像できます。
その現実を目の当たりにして、アドラーの教育方針に疑問を抱いたことから物語は始まります。

とても興味深いです。
アドラー心理学の考え方をわかったつもりになっていても、いざ実践すると上手くいかない。

これは様々な学びの中で起きる問題だと私は思います。
では具体的にどう実践していけば良いのか、その答えにたどり着くのがこの書籍のゴールなのです。

アドラー心理学は絶対不変の真理ではない

哲人は言います。
アドラー心理学はメガネのレンズのようなものだと。

「視界が明瞭になる人もいれば、余計に曇る人もいる。
 だが多くの人はアドラー心理学を誤解している」

私も『嫌われる勇気』を読んで、半ばわかった気になっているかも知れません。
ですがこういった哲学的な思想をきちんと理解するのは容易なことではないはずです。
安易にわかった気にならず、気を引き締めて読み進めます。

人生における最大の選択は愛である

これが哲人の語るアドラーの本質です。
そして愛は厳しく、勇気を試される課題であるとも説明しています。

アドラー心理学の実践において、「愛」というキーワードが重要であることが明かされました。
ですがまだまだ抽象的な概念でしかなく、実践するには理解が及ばない部分が多いでしょう。
その真相についてこれから深掘りしていきます。

「無知の知」こそが宗教と哲学の相違点

アドラー心理学は科学なのか。
答えはYESでもありNOでもありそうです。
『幸せになる勇気』では、厳格な意味での科学ではないとされているようです。

私は心理学に詳しい訳ではないので、学問としての心理学が科学であるかどうかは知りません。
ですが再現性があるのかどうかはともかく、信じるかどうかという点においては科学ではないとも捉えられます。

そこで信じるかどうかという観点で言えば宗教に近いかも知れないと青年は考えたようです。
確かにこの部分については私も気になるところです。

哲人の答えはやや難しいものでした。
暗闇の中、長い竿を歩いているようなものだと。
そしてその歩みは永遠に続くものであり、途中でここが真理だと歩みを止めるのが宗教だと言うのです。

言われてみれば宗教には必ず答えがあります。
これが正しいと言えるものが存在するのです。
それが神であったり経典であったりするのでしょう。

これに対して哲学は自問自答を繰り返し、永遠に歩み続ける態度だと哲人は言います。
そしてソクラテスの言葉を引用し、無知の知こそ哲学だと説きます。

アドラー心理学の本質が「愛」であるのならば、この考え方は頷けます。
これをすれば愛だと言えるゴールはなく、愛は永遠に与え続けていくものだと私も思います。

ゴールが見えないからこそ不安になり、疑問に思い、時に立ち止まってしまうのです。
だからこそ『幸せになる勇気』では歩み続ける前に進むと言った言葉を頻繁に使っています。

介入ではなく援助するのが教育

アドラー心理学において、人の根源的な欲求は、「優越性の追求」と考えます。
つまり人は無力な状態から向上していきたいと考えるのが根源だとしています。
そして自由を求め、自立していくものだと。

この自立を援助するのが教育の目的だと考える訳です。
あくまでも他者の課題に介入するのではなく、援助すると言うのがポイントです。

<アドラー心理学の掲げる目標>
・行動面
 ① 自立すること
 ② 社会と調和して暮らせること
・心理面
 ① 私には能力がある、という意識
 ② 人々は私の仲間である、という意識

これらの目標を達成するためのサポートをするのが教育だと言うのです。

納得できます。
私ももし教員になったとしたならば、こういった理想を掲げて実践したいと願うでしょう。

でもこれは机上の空論、抽象的な理想論なのではないか、というのが青年の主張です。
私も同感です。

確かにこんな目標を達成できる生徒が増えるのなら私もやりがいを持って教職に就いたかも知れません。
ですは現実はそんなに甘くありません。

学ぶ気もない生徒や授業の妨害をする生徒だっています。
私も興味がない科目は寝ていたのを覚えています。

それでは具体的に何をすればより良い教育が実践できるのでしょうか。

教育の入り口は尊敬

青年は改めて問います。
では具体的にどうすれば良いのか?

哲人の答えは尊敬でした。
尊敬とは、人間の姿をありのままに見て、その人が唯一無二の存在だと知る能力のことです。

そして尊敬を示すことで、生徒は自分の価値を感じ、自立への勇気が伝わっていくのだそうです。

人は主観的な生き物です。
客観的だと思っていても、自分の価値観で世界を見ています。

つまり世界がどうあるか、ではなく世界をどう見ているか、と言うことです。
尊敬することとは相手の見ている世界に共感することです。

他者の関心事に自ら関心を寄せ、対等な横の関係を築く。
それが尊敬を態度で教えることに繋がり、そして勇気づけになると考える訳です。

自立するには自分を変える必要があります。
それは勇気のいることです。

今までの自分から脱却し、過去の自分を否定することになるからです。
その勇気が持てなければ、今のままでいいと現状維持に陥ってしまうのです。

だからこそ教育者は勇気づけをする必要があるのです。
自立するために変わる勇気を与えるのが教育の使命だと説かれています。

問題行動に隠された目的とは?

<問題行動の5段階>
① 称賛の要求
② 注目喚起
③ 権力争い
④ 復讐
⑤ 無能の証明

アドラー心理学も一つの心理学であることから、人の問題を扱う訳です。
と言うことは問題行動についても体系的な考えがあることでしょう。

それが上記の問題行動の5段階です。
人は自分が特別な人だと共同体の中で思われることで居場所を求めています。
共同体への所属感こそ幸福の第一歩だからです。

そしてそのためにまずは良いと思われることをします。
これが称賛の要求です。

ですが小さな良いことをしてもなかなか評価されません。
むしろやったことを否定的に捉えられることもあるでしょう。

すると今度は褒められなくてもいいから注目されたいと思うようになります。
これが二つ目の注目喚起です。

例えば教室で騒いで叱られる生徒は注目を集めることが目的なので、叱られても目的を果たしているのです。
惨めな自分をアピールするもの一つの注目喚起でしょう。

それでもダメなら権力争いに発展します。
反抗的な態度や暴言暴力で自分の力を誇示して居場所を作ろうとするのです。

先生が生徒を叱るのもこれに該当するかも知れません。
力で屈服させて独裁的な教室運営を形にしようと目論むのです。

これ以上問題行動がエスカレートすると、解決するのがかなり困難になるとのことです。

次の段階は復讐、より悪質な嫌がらせによって憎しみを生み出すことを求めてしまいます。
また自傷行為なども大切にしてくれない親への復讐心が原因だと説明されています。

そして最後に無能の証明、ここまで来ると精神疾患になっている場合がほとんどとのことです。
私も鬱病を患っていて、自分には働く能力がないからこれ以上構わないでと言っているのかも知れません。

思い返せば私はずっと他者からの評価を基準に生きてきたと振り返ります。
良い成績を取ること、良い大学に入学すること、きちんと貯金をすること。

それが大学に入り誰からも評価されなくなって途端に勉強しなくなる。
生活が怠惰になる。

そして今は働くことすらできない自分に陥っているのです。
人生のタスクに向き合う勇気が持てないまま、歩みを止めてしまっているのです。

『嫌われる勇気』でも痛感した通り、私は社会と調和するために人間関係を構築することから逃げ続けています。
でも勇気が持てていないのも確かです。

これからどうすれば良いか、それが今の私が求める答えです。
物語の青年が求めるものと同じでしょう。

人の幸福は共同体感覚

幸せになる勇気共同体感覚

人間の悩みは全て対人関係の悩みであると言うのがアドラー心理学の考え方です。
では逆に人の幸福も全て対人関係によって得られるとしたらどうでしょうか。

人は決して一人では生きていけません。
だからこそ孤独を避けたいと願い、人間関係を構築しようと望むのです。

ですがそれには勇気が必要です。
この勇気とは具体的にどうやって得られるものなのか。

これを理解するには信用と信頼の違いを知る必要があるでしょう。

信用とは条件付きで信じることです。
そして信頼とは条件なく信じることです。

信用するのは簡単です。
信じるに値する条件を提示すれば良いのですから。

仕事はまさにこの信用の関係に該当します。
与えられた仕事をすることで決められた報酬を得る信用の関係です。

それに対して信頼するのは非常に難しいです。
何の条件もなく相手を信じるのは勇気のいることです。

それでも自分から先に信じること、これがアドラー心理学の提示する解決策です。
そしてその先にあるのが共同体感覚です。

他者を信じ「自分」と「あなた」から「わたしたち」に変えていくこと。
つまり自己中心的な生き方から、他者を愛する生き方に変えていくこと。

これが人の幸福だとアドラー心理学では考えます。
そしてまずは自分から愛する勇気を持つこと、自分自身を愛する勇気を持つこと。
私や青年が今すべきことはこの愛する=幸せになる勇気を持つことなのです。

どんなに先が見えないことだとしても、まずは自分から信じて愛する。
そのために今この瞬間を真剣に生きる。

アドラー心理学の答えはここに集約されます。

まとめ

ここまでどうやって幸せに生きるのか、そのために今何をすべきかを考察してきました。
私自身、条件なしで人を信じると言うのはなかなか勇気が持てていないことでした。

ですが、信じるかどうかは自分が決めることです。
そして自分から信じなければ相手からも信頼されることはないでしょう。

待っているのでは何も前に進まないのです。
だからこそ今自分自身を信じ、その選択を信じ、人生のタスクに向き合っていくことが重要なのです。

幸いなことに私には人生のパートナーと呼べる人がいます。
一緒に生活し、お互い支え合い、生きていける「わたしたち」があるのです。

まずはパートナーとより良い関係性を築き、信じ、愛することから始めたいと思います。

ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。
皆さまの役に少しでも立つことを信じておしまいにします。

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